中小企業が採用で苦労する5つポイントとその対処方法とは?

  • 2021年5月12日
  • 2021年5月18日
  • 採用

業種に関わらず中小企業の採用は大変ですよね? 考えただけでも嫌になる経営者も多いのではないでしょうか?

では採用活動が大変になる原因は何でしょうか?

採用も企業活動のひとつです。大変であれば解決する。というのが企業のあるべき姿です。
大変になる原因は何か? そこに焦点を当てないと解決策も見えてきません。

そこで、今回は、多くの中小企業が採用で苦労するポイントのうち代表的なもの5つ挙げて、その原因と探り、対処方法について紹介したいと思います。

<中小企業が採用で苦労するポイント>

  1. 会社の知名度がないので応募者が集まらない
  2. 採用に予算をかけられないので、十分なPR活動ができない
  3. 人手不足で採用活動が十分できない
  4. 採用してみたら期待していたスキルがない
  5. せっかく採用したのに定着しない

どれも辛いですよね。しかし、やり方次第でその辛さは、結構軽減されます。これは、採用弱者である中小IT企業で私が経験済ですので。

会社の知名度がないので応募者が集まらない

実は知名度が低くても採用に成功している会社は多いです。
成功している会社とどうも上手く行かない会社の違いは何でしょうか?

一言でいうと、その違いは「マーケティング志向で採用をしているかしていないか」です。

そもそも中小企業の採用人数はそれほど多くないのですから、ターゲットを絞って、そのターゲットの琴線に触れるようなことをしている会社であれば、採用は上手く行きます。

ではマーケティング志向で採用をする? ターゲットを絞る? というのはどういうことでしょうか?

マーケティング

マーケティングの古典的なフレームワークに「AIDMA」というのがあります。
ある商品を知ってから買うまでの行動を5つに細分化し、その英語の頭文字を並べたものす。
「注目する」「興味を持つ」「欲求が起こる」「記憶する」「行動する(買う)」という5つです。

これを採用活動に当てはめてイメージすると、以下のような感じでしょう。

Attention:注目 →会社を知る
Interest:興味 →その会社に興味を持って調べる
Desire:欲求 →入社したい候補の会社の一つになる
Memory:記憶 →受験する会社の絞り込みをする
Action:行動 →入社試験を受ける

多くの会社の採用活動は、通り一遍の求人広告を出す。あるいは求人票を出して、あとは待つのみ。となっています。これだと、宝くじを買うようなものです。

「マーケティング志向で採用をする」というのは、単に宝くじを買うような採用ではなくて、採用プロセスの局面をしっかり認識して、それごとに打ち手を繰り出す。ということです。

「採用のマーケティング」の詳細はこちらをご覧ください。

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ターゲットを絞る

中小企業の多くは、漠然と「いい人」が欲しいみたない採用をしがちですが、これでは誰も採用できません。
前項で述べた「AIDMA」にしても、その前提としてターゲットの選定をしています。
女性化粧品を売るのに、その対象を漠然と「いい人」なんてしないですよね?

どのような企業も欲しい人材像というのがありますが、それを意識できていないです。
どうせ苦労するなら、欲しい人材像を導き出すことにその苦労を使ってみては如何でしょうか?

最低限でも属性、すなわち新卒か?中途か? 新卒であれば、高卒か?大卒か? 大卒であれば、一流大学なのか?そうでなくても良いのか?
中途であれば、どのくらいの年齢まで許容できるのか? 学歴や職務経験は気にするのか?等々の検討が必要です。

もちろん、新卒や若手、有名大学卒が欲しいとなると、大手企業と競争になりますので、妥協が必要。
故に、ターゲットを絞ることに、かなりの労力を要することになります。

出来れば、もっと深く突っ込んで、欲しい職種の人材像を絞りこみましょう。
最も簡単な方法でお勧めなのは、自社でも同業他社でも構わないので、その職種で「優秀と思える人」のどこが?なにが?優秀とされる要素か?を深く考えることです。

自社の特徴を言語化する

商品には、その特徴を表す名称や、キャッチコピーがあります。また、その商品を形作るストーリーがあるケースも多いです。

会社も全く同じです。

当然どこの会社も名称はあると思いますが、もう一歩踏み込んで「自社の特徴を言葉で表せますか?」と問いたいです。

もし自社の特徴が言語で表せるのであれば、それは「企業ブランド」です。「AIDMA」の各フェーズで、それをアピールすることで、自社と親和性の高い人材から共感を得る確率が高くなります。
逆にあまり「言語化した自社の特徴」に共感しない人は、そもそも採用すべき人ではありません。

「企業ブランド」の詳細はこちらをご覧ください。

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採用に予算をかけられないので、十分なPR活動ができない

いくらマーケティングだ!ブランディングだ!と言っても、PR活動にかける予算がなければ、誰にも知られずに終わりでは?と思いますよね。

でも、予算がないのでPR活動が出来ない。というのは本当でしょうか?
問題はどのくらいの人数を採用したいのか?によります。

中小企業では、採用したい人数の10倍くらい応募があれば、御の字。というかそれ以上応募があっても捌ききれません。

1人採用するのであれば、10名の応募。3人採用するのであれば、30名だと多すぎかもしれません。。。こう考えれば、仮にある程度の人の琴線に触れるような「企業ブランド」が確立できてるのであれば、認知してもらう数は、その10倍程度で良いでしょう。

1名採用するのであれば、10名の応募。10名応募してもらうには、100名に認知してもらう。
3名採用するのであれば、30名の応募。30名応募してもらうには、300名に認知してもらう。

ナン百万円かけて大手採用サイトに広告出せば、300名に会社名を認知してもらうことは可能かもしれませんが、それで3名採用できるでしょうか?

恐らく無理です。大手採用サイトに広告を出せば目には止まるでしょうが、一生懸命作った「企業ブランド」まで知らしめるのはまず無理です。

何故なら、より強い企業ブランドの会社、要は大手企業がそこにいるからです。

そんな大手企業と同じ土俵で戦うのは愚かなことです。
採用人数の少ない中小企業は、お金をかけてPRするより、独自のPR戦略で採用に臨んだ方が良いのです。

まずは、PR活動にも「ターゲットを絞る」ことを考えましょう。
前項で、最低限採用したい人の属性を決めましょうと書きましたが、それがここで利いてきます。

例えば、中途でも新卒でも構わないので、そこそこの大学卒が欲しい。採用数は1名というのであれば、100名に認知してもらえば良いのですから、地元と近県のそこそこの大学1~2校と繋がりを作っていけばよいのです。

まぁ中高年でもいいや。となれば地元の職安で十分でしょう。

しつこいですが、漠然と「いい人」を求めて、大手採用サイトに広告を出しても意味のない。お金の無駄です。

「中小企業の採用活動」の詳細はここちらをご覧ください。

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人手不足で採用活動が十分できない

そもそも人手不足だから新規に採用したいはず。だけど人手不足故に採用活動がままならない。こんな感じでしょう。確かにこれは辛い。

ここで視点を変えてみましょう。

経営の三要素あるいは四要素は何でしょう?

「人・物・金」です。これに「情報」が加わり四要素となります。

ここから分かるように、人の関連は経営の課題なのです。採用も人の関連ですから、経営課題として捉えるべきでしょう。

中小企業の経営者の多くは、経営の三要素のうち、「人」をなおざりにしている感があります。
物と金は割と簡単なんです。物や金は目に見えるし、文句を言わないし、インプットとアウトプットの相関が分かり易いですから。
だから多くの経営者は、物や金に関しては一生懸命やります。
しかし「人」の問題は、めんどくさい。文句言うし、正しいインプットをしてもアウトプットは??となるし。。。萎えますよね。

こう書くとお叱りを受けるかもしれませんが、これが中小企業のダメなところとです。
人・物・金・情報なのに、経営の3要素の最初にある「人」の事を経営者がやらなくて、誰がやるのでしょうか?
「人手不足」という経営課題に立ち向かうのは、経営者自身でしょう。

中小企業においては、社長の本気度こそ採用が上手く行くか行かないかのポイントです。
是非採用活動の先頭に立ってください。

人が居なかったら知恵を出しましょう。今まで述べたことは社長以外には出来ないことでしょう?

採用してみたら期待していたスキルがない

高学歴、経験豊富な人を採用してみたら、期待していたスキルが無かった。。。
よくあることです。

相手の問題も大きいと思いますが、当方には問題はないでしょうか?

恐らくあります。「そもそも必要スキルが明確でない」でしょう?
前段の「ターゲットを絞る」の最後に述べた、“欲しい職種の人材像を絞りこみましょう。”です。

でも安心してください。日本の会社は大手を含めどこでも必要スキルなんか明確に出来ていません。

そもそも本当に必要なスキルを明確化したら、「そんな人は世の中にはいない」という結論になるはずです。
何故なら、自社の文化や仕事の仕方が独特だからです。
日本は海外と違って職種ごとの標準化がされていません。この是非は置いておいて(そもそも海外でも言われているほど標準化が出来ているか疑問な点もありますし)、現状では、ある会社での仕事の内容や仕方が、別の会社でそのまま適用できることは本当に稀です。

ですから、お互いに、そのことを前提に採用に臨むべきです。具体的には「今持っているスキルより、新しいことを学ぶ力があるか? 違う環境に適合する柔軟性があるか?」に焦点を絞りましょう。
極端に言えば、試験や面接の全部をここに焦点を当てても良いくらいです。

もちろん、これでも完全ではないですから、最悪の場合のリスクヘッジとして、「入社したら一から教育し直す」ということを年齢に関わらず、双方合意しておくことをお勧めします。

せっかく採用したのに定着しない

期待して採用した若手社員が、試用期間満了前に退職してしまった。。。私も経験がありますが、辛いですよね?

まず、退職した理由、聞いたことありますか?
もし複数人が定着しなかったとしたら、その理由をよく考えたことありますか?

恐らくないですよね? 聞いたとしても本音を言わないだろうし、仮に真実に近いことを言われたとしても、自分(会社)の都合の良いように解釈してしまいがちです。

でも一般的に社員は退職したいと思っていません。何故かというと就職活動はめんどくさいですもの。特に入社して直ぐ辞めるというのは、あのめんどくさい就職活動にすぐ戻るということですから、出来れば避けたいはずです。

ということは、その人が退職したというのは、その人にとって許容できない問題が会社にあったということです。
もしそれを知る事が出来たら、今去る人は仕方ないとしても、次に生かすことができます。それが重要。

ということで、最近は、本音の退職理由を聞き出すことにしています。今は、会社を離れて外部の人間という立場ですので、結構な割合の人が本音で話してくれます。
本音の退職理由は、概ね次の二つに集約されます。

入社前に説明を受けていたビジョン等との乖離

最初にマーケティング志向やブランディングの説明をしました。これは効果的なのですが、そこに嘘が入ると、全くの逆効果になります。

まず人を採りたいがために嘘をつくのは絶対ダメです。真実のみを伝えるようにしましょう。
真実とは、まず自分が信じていること。そして自分が実践していることです。
将来のことを話することが多いので、結果として実現できなかったは良いですが、実現に向けて経営者が努力しているというのは必須です。

言っていたことが嘘だと思った瞬間に、人は離れて行く。これは個人でも会社でも同じです。

私も以下のようなヘマをしました。。。

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人間関係

人間関係は双方に問題があるケースが多く、一方の当事者は社内に残っていますので、ついつい退職者の方に問題を持って行きがちになります。

しかし双方に問題があるのですから、辞めた人はどうしようもなくても、社内の問題は改善すべきでしょう。

人間関係の改善も、「人」の問題。経営の問題であると肝に銘じましょう。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。

>クソゲー採用を卒業しませんか?

クソゲー採用を卒業しませんか?

求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。こんなことの繰り返しで、ずっと採用活動を続けている中小企業が多いです。
私はこれを「採用活動のクソゲー化」と呼んでます。クソゲーとはルールや設定が酷すぎて、終わらない、つまらないゲームのこと。
今までの習慣やルールを変えて、まともな採用をしてみませんか?そう考える方はこちらまで。

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