中小企業の採用に「ミートアップ」は使えるか?

  • 2021年7月20日
  • 2021年7月20日
  • 採用

最近「採用ミートアップ」という言葉をよく耳にします。
一応、私も採用関係をやっていますので、気になるところですので、ちょっと調べてみました。

  1. 中小企業ではハードルが高い
  2. しかしやった方が良い中小企業もある
  3. いずれにしても、採用の長期計画や自社のブランディングなどが必須

というのが私なりの結論です。

採用ミートアップとは

そもそもミートアップとは?

採用に「ミートアップ」は使えるか? の前にそもそも「ミートアップ」自体が分からない。。ということで、ウィキペディアで調べてみました。

Meetup (ミートアップ) は世界中で2,700万人以上が参加している(2016年9月時点)、共通の地域や興味に関するコミュニティを簡単に始め、運営することを可能にするプラットフォームサービス。

インターネットを通じて地域の似たような興味を持っている人への告知を行うことで、同じような興味を持っている人との交流をすることができる。セミナー、イベントなどはもちろんのこと、自分の住む地域で時間と場所とテーマを決め、少人数から20~30人くらいの人数でカフェやコミュニティスペースで集う定期的な小規模ミーティング・交流会まで、あらゆる場面でコミュニティ体験を豊かなものにすることを目指している。利用者はサイト内で郵便番号や活動地域や興味対象を検索することで、政治、書籍、ゲーム、映画、健康、ペット、キャリアや趣味など共通の目的に合ったグループを探し参加することができる。

引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ミートアップというアプリが発端なようですが、他を調べると、今では、広く「共通の目的を持った人たちで集まる交流会」のことをミートアップと呼ぶそうです。
ウィキペディアの定義から特徴を抽出すると以下の感じかと思います。

  1. インターネットを通じて告知する
  2. 同じような興味を持っている人との交流する
  3. セミナー、イベント、小規模ミーティング・交流会などを含む

まぁ「今どきの普通の集まりじゃねーか!」と思います。

採用ミートアップを使う狙いは?

採用ルートをいくつも持っておきたい。ということです。
採用が難しくなってきている。というのが背景にあります。世は少子高齢化ですし、多くの企業は、少ない若者を欲しがりますから、それだけ競争になりますので。

実際の採用ミートアップを見ていると、単なる「交流」やテーマを決めての「勉強」、あるいはそのものズバリ「会社説明会」などの形態を取っているようです。
「会社説明会」型のミートアップはともかく、「交流」や「勉強」は、目先の採用というより将来の候補者の発掘でしょう。
今までと同じ採用手法で直近の採用活動をやりつつ、ミートアップで、まだ転職はあまり考えていない潜在層への自社の認知向上に努め、中長期的に少しでも「若い」人材を採用しょうとしているのです。

採用ミートアップのメリット・デメリット

メリット

言うまでもなく、自社のことを深く知って、ファンになってもらえることです。
ファンになってもらえば、将来の入社してくれるかもしれない。

逆に、会社としても、ミートアップの回を重ねるごとに、相手のことが良く分かりますから、相思相愛で、いざ採用となった時スムーズに事が運びます。

デメリット

デメリットは、「やけに手間がかかる」です。
「会社説明会」を前面に打ち出している場合を除き、その時点では転職は考えていない層に働きかけをするわけですから、長期間に渡って開催し続けて「その気になる時」に備えなければなりません。
さらに、参加者にとってメリットがあるものを企画し続けなければ、どこかで参加してもらえなくなりますので「その気になる時」が来なくなってしまう可能性も高いです。

また、ファンになってもらうには、会社の文化を伝える必要があるのですが、それも手を変え品を変え続けなければなりません。

以上から、中長期的に取組める余裕と、飽きられないイベント企画が出来るような企業でないと難しいでしょう。

事実、成功事例を見ても、大手か新興企業、イメージとしては個性の強いちょっと尖った会社が多いです。

中小企業での「採用ミートアップ」導入はありか?

率直に言うと、かなりハードルが高いので、今の採用手法でそれなりの成果が出ているのであれば、手を出すべきではありませんし、今の採用手法で成果が出ていない場合、尚更お勧めできません。

では、全くないか? というとそうでもありません。私は、ビジネスも含めて取組むのならアリだと考えています。

そもそも企業が行うミートアップは「人の繋がりを作り、ファン形成を目指す」ことを目的とされてます。それは採用だけでなくビジネスでも同じです。

もちろん、そのファンはビジネスに繋がるのか? 採用に繋がるのか? はたまたただのファンで終わるのか? は全く未知数です。

こんなことをわざわざやるのは何故でしょう?

多くの会社は、今の仕事をやっているだけでなく、将来の仕事の種まきの一貫としていろいろな活動をしています。ミートアップは、将来の種まきの一つの活動としてマッチしているでしょう。

一方で、中小企業が採用だけにミートアップをするというのは、その手間とかかるコストから現実的ではありません。

ですから、今既に将来の種まきの活動に着手している企業、例えば、SNSでのファン形成が上手く行っている企業が、次のステップに使うのはありだと思います。

前述を繰り返すと「そのファンはビジネスに繋がるのか? 採用に繋がるのか? はたまたただのファンで終わるのか? は全く未知数です。」なのですから、「採用」のためとか「ビジネス」のためと当方で勝手に枠を決めるのはナンセンス。

それなりに狙いを定めるのは当然ですが、やってみたら結果的に、「ビジネスに繋がった」「採用に繋がった」あるいは「何もなかった」となるのが、ミートアップというものでしょう。

中小企業が「採用ミートアップ」導入するときの留意点

採用の中長期計画を立てる

ミートアップは採用に限らず「将来の種まき」ですから、中長期の視点を持つことが前提となります。
ビジネスでは中長期計画を策定している会社も多いと思いますが、そのビジネスの中長期計画に基づいた採用の中長期計画を策定して臨むべきでしょう。
逆に言えば、ビジネスでも採用でも中長期計画を策定していないのあれば、ミートアップを始めても行き当たりばったりで終わる確率が高くなりますの止めた方が良いです。

またこれは繰り返しになりますが、短期的な採用手法でそこそこの成果を挙げた上で、長期的にもっと採用を増やすとか、今の採用手法では行き詰まるという予測のもと行うのが、ミートアップのような種まきです。

いずれにしても、ビジネスでも採用でも行き当たりばったりでは長続きしないのは、自明のことですから、まずはここに取組むべきです。

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このリンクにあるように、

①目的を確認する
②目標を定める
③戦術を考える
④戦力を考える
⑤足りない戦力を見つける

という順番で考えると良いでしょう。①~③はビジネスの中長期計画に相当する部分、④~⑤が採用の中長期計画に相当する部分です。

これがはっきりしてれば、あとは手段の問題なので、ミートアップが目的にあった手段と考えれば導入すれば良いし、他に良い手段があれば、それをやればいいのです。

採用は、設備投資同様、将来のビジネスから導き出されるものです。設備と違うのは、相手が人間が故に、こちらの思い通りにならない。だからこそ、将来の向けての種まきが必要なのです。

一にも二にも「売り」が必要

ビジネスに自社固有の「売り」が必要なように、採用を成功させるためには、自社の「売り」がなければなりません。
「売り」というのは万人にウケる必要はありません。ごく一部の人にウケればいいのですから、尖がったもので構いません。
前述の通り、むしろ尖った「売り」のある会社の方がミートアップに適しているとも言えます。

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そのような明確な特徴がなければ、採用に限らず「ミートアップ」は成功するはずがありません。「この会社ここが好き」というファンを作る活動なのですから。

イベント企画の外部委託もあり

計画性のある採用を始めて、「売り」も明確。そして「ミートアップは自社に合っている!」と思っても、もう一つハードルがあります。

それは、
「ファンになってもらうには、会社の文化を伝える必要があるのですが、それも手を変え品を変え続けなければなりません。」
「飽きられないイベント企画が出来るような企業でないと難しいでしょう。」

という点です。
実際にはここはかなり高いハードルですが、それでも是非実施すべきという結論が出たのであれば、まずはイベント企画会社に委託するというのも手です。

また、イベント企画会社の手法を学び、いずれ自社で企画もやるというのを目標にしても良いでしょう。

複数の会社での共催も

中小企業ですから、企画力、知名度、宣伝力が落ちるのはどうしようもないです。資金の余裕はあまりないでしょう。
それを補うために、複数の会社で共催するのを検討しても良いと思います。
それぞれ個性の違う会社が集まることで、魅力的になる可能性も大です。

オンライン開催も検討する

前項と同様の理由で、オンラインでの開催も検討に値すると思います。
オンラインにすれば、リアルなミートアップと比べ固定費が少なく済みますので、その分試行錯誤が出来るというのが一番もメリットです。

また、数年前まではオンラインなんて考えられなかったのですが、昨今の情勢から、今ではオンラインが当り前になっています。
これは実は中小企業にとってチャンスとも言えます。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。

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クソゲー採用を卒業しませんか?

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