中小企業の採用人材像はこうやって導き出しましょう

  • 2020年6月13日
  • 2021年1月19日
  • 採用

採用をするに当たって「どんな人に来てもらいたい」が明確になっていますか?

明確になっていない?ご安心ください。どこも明確になっていないですから。試しに「企業が求める人材像」でネット検索してください。笑っちゃいますよ。

例を1つあげると、プレジデントオンライン2015年3月11日「人事部の告白! 有力企業が欲しい人材『6つの能力』」という記事にある「6つの能力」とは以下でした。

  1. チャレンジ精神(変革する力、バイタリティ)
  2. チームワーク力(共感力、チーム志向)
  3. コミュニケーション力(論理的思考、伝える力)
  4. リーダーシップ力(周囲を巻き込む力、主導力)
  5. 主体的行動力(自律的アクティビィティ、やりぬく力)
  6. グローバル素養(異文化受容力、語学力)

まぁ、レベルの問題はありますが、この中の能力のいずれか一つだけでも、誰もが認めるほど高い人ってそうそう居ないですよね。
そもそも、「告白!」している“有力企業”の人事の人でもこの能力を全て持ち合わせいないんじゃ。。と思います。
その人が、他人がその能力を持っているかどうか見極めるってどうやってやるんだろう??

前回、「中小企業の採用ってクソゲーみたいになっちゃいますよね?」で、求職者側の就職先選定のポイントのユルさを紹介しましたが、企業側が求めるポイントもユルさ加減では似たりよったりですね。

中小企業が「どこに行っても通用する人材」を追うのは愚策

結局、ロクに考えていないから、総花的に「どこに行っても通用する人材像」になる訳です。
大企業ならそれでもいいでしょうが、中小企業で「どこに行っても通用する人材像」を追うのは、バカげたことです。
採用に従事している人は分かると思いますが、そんな人はまず来ないです。

逆に、万が一「どこに行っても通用する人材」が来ちゃったら?
「どうしていいか分からない」
要はそんな人は来ないという前提であるにも関わらず、惰性で「どこに行っても通用する人材像」が欲しいと言ったり書いちゃったりするんですよね。

自社に欲しい人材像はこうやって導き出しましょう!

目的を確認する

その組織にどのような人材が必要か?について、分かり易いので、私の大好きなプロ野球で考えてみましょう。

プロ野球に限らずスポーツにおいて「勝つこと」というのは、大きな目標です(だけではないですが)。その勝利を目指すうえで、人材(選手)の素質や技術というのは大きな要素であるというのは、まぁ同意いただけると思います。

一般的に考えると、プロ野球は、個々に球団としての理念があって、その中の重要な要素として「優勝する」と「毎年優勝する」があります。
ですので、球団としては「優勝」は手段のはずですが、チーム(現場)は、「優勝する」と「毎年優勝する」は最重要。目的と捉えて良いと思います。

目標を定める

目的が「優勝する」ですから、目標は「何勝する」となります。80勝くらいですかね。
では、80勝する戦略はどんなものでしょうか?
私の好きなカープは、毎年「投手を中心とした守り勝つ野球」を掲げています。カープに限らず、野球の戦略としてはこれが王道でしょう。「打ち勝つ野球」より確実性が高いですから。

戦術を考える

では、戦術はどうでしょうか?「投手を中心にした」ですから、まずピッチャーですよね。
先発完投型のピッチャーを揃えて行くのか、先発、中継ぎ、抑えをバランス良く配置するのか?これは今いる選手を見ながら決めて行くでしょう。

野手も「守りの野球」ですから、レギュラーの条件はまず守備が上手いことです。でも打撃も出来ないのは話になりません。単に守備と打撃のどちらの優先順位が高いか?という話です。(実際にはポジションによって、優先順位は変化しますけど。)

戦力を考える

人材はどうでしょう?先発、中継ぎ、抑え投手が全て一流で、人数も豊富であれば言う事ありません。
野手も守備が良くて、打撃も良い選手が何人もいれば良いです。
でも、なかなかそうはなりません。
次善の策として、現時点ではそんなに秀でた能力の無いピッチャーもベンチに入れることもあるでしょう。最初は、敗戦処理を任せて経験を積ませ、成長して行けば戦力となる。という目論みですので、現場で育成という形です。

野手も、守備は悪いが打撃に秀でた選手や、逆に守備が上手くても打撃が弱い選手もベンチに入れるでしょう。。
前者は、レギュラーではなく代打要員。後者はチャンスには代打を出される選手、あるいは、代打の代わりにその後の守備に就く選手です。
こちらもそうやって出場して行く中で、経験を積みんで、戦力への成長を促すという形です。

足りない戦力を見つける

こういう風に考えて行くと、自分たちの穴が分かる訳です。
実は先発ピッチャーが弱いとか。その自分たちの弱点を補うために、選手を補強する訳ですね。「先発完投型の即戦力ピッチャー」とか。
昨年カープがドラフトで指名した、森下はまさしくこれに該当します。先発完投型のピッチャーが手薄なんですね。

逆に、穴が無いケースもあります。その場合は「優勝する」は出来そうだから、「毎年優勝する」にシフトして、即戦力ではないけど、将来有望な選手を指名するでしょう。
一昨年カープは高校生の小園海斗を1位指名したのは、この考えからでしょう。(結局昨年は、優勝逃したのですが。。。)

欲しい人材像が大きすぎ

企業でも普通はこう考えると思うんですよね。
特に中途採用の場合は即戦力でしょうから、自社の弱点を補う人材を求めるはず。
自社の弱点を補うために、「チャレンジ精神(変革する力、バイタリティ)」という定義は、(悪くはないと思いますが)大きすぎ、漠然とし過ぎと思うのではないでしょうか?

では「営業」という括りはどうでしょうか?
これでも大きい。「営業が欲しい」というのは「ピッチャーが欲しい」であって、先発完投型なのか、リリーフ型なのかすら分かりません。
球が速いのがいいのか、コントロール重視なのかまで考えると、まぁ選びようがないわな。と思います。

採用も結局は経営なんです

もちろん、ルールの制約が大きいスポーツとビジネスを同列で比較するのは正しくない面が多々あると思いますが、思考プロセスは同じと思うんです。

すなわち、最上位概念(理念とかビジョンとか)から、目的→目標→戦略→戦術と落としていって、目先の戦力との比較で、どんな人材が足りないか?を明確にし補充していく。というのは同じだと思います。

私は「どんな人に来てもらいたい」が明らかになっていない。というのは企業として良くない。と思っています。
何故かというと、上記の目的→目標→戦略→戦術と落としていくプロセスは経営そのものだからです。
つまり、「どんな人に来てもらいたい」が具体的に言えない企業は、経営がダメだ。ということです。

こう書くと「そもそもこっちの要求通りの人材が応募してくるわけないだろ!「そんなことは分かっている。でもクソ忙しくて、そこまで手が回らないんだよ!」という意見も出ると思います。分かりますその気持ち。

でもそれだと、結局採用は割の悪い博打になっちゃうんですよね。これでいいのでしょうか?

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。

>クソゲー採用を卒業しませんか?

クソゲー採用を卒業しませんか?

求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。こんなことの繰り返しで、ずっと採用活動を続けている中小企業が多いです。
私はこれを「採用活動のクソゲー化」と呼んでます。クソゲーとはルールや設定が酷すぎて、終わらない、つまらないゲームのこと。
今までの習慣やルールを変えて、まともな採用をしてみませんか?そう考える方はこちらまで。

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