中小企業の採用マーケティングに大きな効果が期待できるSNSの活用法

  • 2021年6月23日
  • 2021年6月22日
  • 採用

ビジネスでSNSを使っている人も多いかと思いますが、これを採用に使うというのは如何でしょうか?
ビジネスでのSNS利用の主目的が「自社の商品や製品、サービスを認知してもらい購入してもらう」ことであるならば、採用も同様に「自社のことを認知してもらい、入社してもらう」という活動ですから、SNSがマッチするのです。

今回は、採用にSNSを活用する際のポイントと、ではそれを使えばいいか? についてご説明します。

表現する「自社らしさ」を決める

個人のSNSは好きなことを発信すれば良いのですが、企業が「採用」の成果向上を目指してSNS発信するのであれば、好きなことを好きなだけ発信というわけに行きません。

まだ顔も知らないだれかに「入社したい」と思って欲しいのですから、「自社らしさ」を表現しましょう。

例えば以下のようなことが「自社らしさ」でしょう。

  • 製品や商品
  • 理念やビジョン。自社がどこを目指しているか
  • ユニークな活動
  • ユニークな経営者や従業員
  • 採用活動での拘り
  • 経営者や従業員の素顔

このように候補を挙げ、その中から自信を持って「本物」と言えるものを選んでください。
また、1つのテーマだけではマンネリ化しますので、発信にバラエティーを出すために、メインとサブ2つ程度選ぶと良いでしょう。

私はこの「自社らしさ」を表現することを「ブランディング」と呼んでいます。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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なお、ビジネスでSNSを使っているのであれば、わざわざ採用のために新しく始めるのではなく、ビジネスでの情報発信と一緒で構いません。

実際に、どこで何が注目されるのか分からないのがSNSですから、まずは始めてみることをお勧めします。

直接的効果は狙わない

大手の有名企業ならともかく、我々のような中小企業は、SNSを始めたから、すぐ応募があるわけではありません。あくまでも興味を持った人がより知るためのツールと位置付けるべきです。

まずは、ホームページ、採用のために作ったパンフレットや、採用メディアなど既に使っている媒体の内容と、SNSの発信内容を統一は必須条件です。

ホームページや採用メディアを通じて、自社に興味を持った人が、より深く知りたいと考えたときにSNSにアクセスするのが普通です。

したがって、メインの媒体を見て、SNSで検索した人が、まず「最初に見た媒体の内容とイメージが同じ」と感じることが最低限必要。さらに「媒体だけでは分からない会社の姿」「媒体よりもっとカジュアルな姿」などを感じることが出来たらベストです。

過去からの統一感も必要

しつこいですが、興味を持った人が後日見に来るのですから、大事なのは統一感です。

他の媒体との統一感は前述の通りですが、SNSの場合は過去の投稿も見れますから、その中での過去から現在までの統一感が大事です。

したがって、当初に決めた発信する「自社らしさ」すなわちブランディング方針が重要なのです。

また、過去からの統一感から、一度決めた「自社らしさ」は、途中で変えない方が良いのですが、やってみたら違った。ということも往々にしてあるので、その場合は、素直に変える勇気も必要です。

いずれにしても「自社らしさ」は出来るだけ継続するのが一番ですから、それは自信を持って「本物である」と言い切れるものである必要があります。

中にはウケ狙いや、勘違いで、見栄えの良いブランドを発信する会社もあります。目先の採用は、それで上手く行くこともありますが、中長期的には大きな問題になります。
このことは身に染みていますので、特に強く言っておきます。

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どのSNSを使うのが良いか?

ビジネスでのマーケティングなどでSNSを既に利用しているのであれば、それを採用にも使うのも良いでしょう。
継続することが大事ですから、使い慣れたものが一番です。

ただ、例えばFacebookは、一般的にビジネスでの繋がりが多いので、「採用」ではいま一つ合わないので、今から始めるなら避けた方が良いでしょう。
もちろん、前述の通り「ホームページや採用メディアを通じて、自社の事を知った人が、より深く知りたいと考えたときにSNSにアクセスする」という流れなので、見に行った人が投稿内容を検索できれば問題ないので、逆に使い慣れているのであれば使い続けた方が良い。という判断になるでしょう。

いずれにしても、今のメジャーところのSNSでそれぞれ特徴がありますので、それを紹介します。
好みや会社の実情に合わせて選択してください。

Twitter

国内ユーザー数は約4,500万人とされています。20代のユーザーが多く、ユーザー平均年齢は35歳ですので、若手の採用をしたい会社向きです。
最近は、Twitterのハッシュタグ機能を使って検索して情報収集をするという人も増えてきたので、「ホームページや採用メディアを通じて、自社の事を知った人が、より深く知りたいと考えたときにアクセスするSNS」としては一押しです。

また、「リツイート」機能により知らない人にまで情報が届く可能性がありますので、数あるSNSの中でも拡散されやすさは一番です。

Instagram

写真投稿がメインのSNSです。
国内ユーザー数は約3,300万人。ユーザー層の幅は広がっていますが、20代~40代が中心です。
情報収集の際Instagramのハッシュタグ機能を用いて「写真検索」を行う若者が増えてきているので、
Twitter同様、自社に興味をもった人が見つけやすいです。

ただし、写真がメインなので、会社の雰囲気は分かるでしょうが、会社の中身を深く知るという点には向いていません。後述のようにその点は他のSNSで補完する必要があるでしょう。

Facebook

国内ユーザー数は約2,600万人。40代~50代の中高年がメイン層です。

基本的には実名アカウントを使用します。この点からビジネスマンが実際に会った人との繋がりを維持するためによく使われますので、採用には不向きかもしれません。

ただし、こちらも検索機能は優れているので自社に興味をもった人が見つけやすいと言えるでしょう。

また、場合によっては、知人の知人を紹介してもらえる。という可能性もありますので、中高年を幹部社員として採用したい場合には、押さえておくと良いでしょう。

Line

国内ユーザー数は8,600万人以上。老若男女幅広い層が使用しています。

LINEにはタイムライン投稿もありますが、基本はクローズドなメッセージサービスのため、「ホームページや採用メディアを通じて、自社の事を知った人が、より深く知りたいと考えたときにアクセスする」には不向き。どちらかと言うと一度接触した人に対してのフォローに向いています。

LinkedIn

全世界で活用されているサービスです。
個人ではキャリアアップに関して、企業ではヘッドハンティングのために活用されることが多いので、まさしく採用のためのSNSと言えます。

ただ、日本国内ではそれほど普及していませんので、グローバル人材の採用や、海外での就職を考えている日本人の採用などに向けなど用途が限定的です。

余裕があれば拡張して行く

まずは一つに特化して試して、発信の仕方を学んで行きましょう。
それなりに成果が出てくれば、ノウハウが確立したということです。投稿にも慣れて少し余裕が出てくるでしょう。

この段階で、今のSNSをより充実させることに注力するのも良いですが、複数のSNSを使うようにすることもお勧めです。

一般的には間口が一つより、二つ三つと多い方が、当たる確率が高くなります。
上記の5つのSNSを追加するのも良いですが、多少敷居が高いのですが、動画投稿を検討するのも良いでしょう。
やはり動画は、伝える情報量も多いです。社内の雰囲気も画像より動画の方がよりリアルに伝わるし、自社の活動の背景にどのような考え方や思いを伝えることも出来るようになります。

背景にある考え方や思いを知ってもらった方が、入社に繋がり易いし、入社後のミスマッチも起こり難いです。

動画系のSNSは以下の二つがお勧めです。

YouTube

言わすと知れた「YouTube」です。検索でヒットする確率も高くなるので、自社に興味をもった人が見つけやすいでしょう。
また、ホームページや他のSNSと紐づけることで拡散する可能性が高いです。

Tok-tok

若年層に特に人気がありますので、若者の採用をメインに考えている場合は、押さえておきたいところです。
ただし、米国では制裁の対象となっているなど、企業が手を出すべきか? 考えどころな面も多々あります。

動画は難しいのであれば、文章を書いて行くのも良いでしょう。
要は、自社に興味をもった人が、より多くの情報が仕入れられるようにするというのが目的ですから、前述のSNSにプラスαするなら、より情報量の多い手段を選ぶ。ということが重要です。
お勧めはnoteです。

note

文章というとブログが一般的ですが、noteはブログ的なSNSで、ブログサイトを開設するよりお手軽です。
また、文章だけでなく写真、イラスト、音楽、動画なども投稿できますので、最初は文章で、徐々に他のコンテンツを増やしていくという使い方もできるでしょう。

運用方法

大企業では専属のスタッフがSNS発信をするのですが、中小企業ではそんなことは不可能でしょう。
でも、むしろその方が良いと思います。

会社で担当決めた方が継続し易いので、そういう機能があるもの「1.表現する『自社らしさ』を決める」で大枠を決めた上で、発信は得意な人が複数で行うのが良いでしょう。

もちろん、社会的に問題のある発信はダメですし、「自社らしさ」と全く違う内容の投稿、他の媒体との統一感、過去の投稿との統一感が無いものは、逆効果になりますので、それを確認する必要はあります。
しかし、それも出来るだけ緩くして、社員誰もが投稿出来る、するという方向に持って行った方が、会社の嘘や飾りのない「生の姿」が伝わり、上手く行くでしょう。

最後にもう一度

最初に書いた通り、一にも二にも「自社らしさ」です。そしてそれが真実であることが、最も重要なことです。
人間ですから気付かずに嘘をついてしまっていることもあるでしょうが、社内外に向けて真実のみを発信するということに最大限の努力をするすることです。

以下は、そうでなかった事例です。
ほとんどの人が不幸になりました。

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これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。