採用活動における応募者へのフィードバック

  • 2020年8月3日
  • 2021年1月19日
  • 採用

お祈りメール

採用活動をしていれば、不採用というケースもあります。その時どうしているでしょうか?
世の中で一般的なのは、大体以下の感じのようです。(「不採用 通知」で検索してもらえば例文が山ほど出てきます)

  • 応募へのお礼
  • 実際にやり取りがあれば、その行為へのお礼
  • 不採用になった理由を抽象的に記述
  • 期待に沿えないことへの謝罪
  • 「今後のご活躍をお祈り申し上げます」という結び

最後の結びで「お祈り申し上げます」とあるので、一般にはお祈りメールと呼ばれてますね。

私なんぞは、こんなテンプレートを使う時点で不誠実だな~。と思ってしまうのですが、どうですかね?

将来へのアドバイスは出来ないものか?

企業側に不採用理由を説明する義務は無いんですよね。
そして下手に具体的なことを書くと、場合によってはトラブルになります。

なので、本人から不採用理由を聞かれても、せいぜい「応募者が多く、他の方との相対評価で決めざるを得なかった」と説明するぐらいでしょう。
でもこれではなんで不採用だったのか分からない。
相性などその会社との関連性で不採用になったのか、能力不足など個人の普遍的問題で不採用になったのか、あるいは単に年齢、性別で不採用になったのか、本人が分からなければ対策の打ちようがないです。

トラブルになる可能性があるので、「能力不足」なんて言い難いのは分かりますが、せっかくご縁があった人ですから、その人の将来の向けて有意義なアドバイスは出来ないものかねぇ。と思います。

本当の理由が言えない

現実問題として、今は法律で、採用時に年齢や性別での制限は出来ないですから、どこの企業も年齢・性別不問という求人票を出します。
でも実際には、年齢や性別を理由に不採用というのもあるでしょう。

この場合、不採用の理由は説明できないですよね。「年齢で落としました」と言ったら、法律違反ですものね。
だから「応募者が多く、他の方との相対評価で決めざるを得なかった」なんて、当り障りのない理由を挙げるわけです。

でも、これを受取る人はどう思うか考えたことありますか?

多くの人が「やっぱり年齢(性別)で落とされたんだろうな」と。仮に能力不足などの理由で不採用にしてもです。

そして、その中の一定数が「嫌な会社だな」と思うはずです。
元々求人時点で年齢や性別の制限があれば、こんな風には思わないんですけどね。

機会の公平という理想には賛同しますので、今でもこんな思考で採用している会社がダメだと思いますが、それが現実でしょう。

採用基準を明確に!

前項のケースはともかく、多くの場合は採用基準がはっきりしていない故に、当り障りの無い不採用理由になるんです。

分かり易く単純化した例でお話しします。

「簿記1級を持っている」という採用基準を定めたとします。
これは求人票に書いても書かなくても良いですが、1級保持者はなかなか来そうもないので幅を持たせて「簿記2級以上」と書いて求人したとしましょう。

これで「簿記1級」が来たら、言う事なしです。
2級で応募して来た人には、「1級を持った人が来たのであなたを採用できません」と通知するだけです。

2級保持者しか来なかったら、簿記の筆記試験をする。その得点で決めれば良い。
不採用理由は「筆記試験であなたより高得点の人がいたから」

同じ得点が複数居たら、面接で決めればいいのです。その時の基準は年齢でも結構。
不採用理由は「資格、筆記試験で同レベルの人が複数居たので、面接で決めました」

改めて努力をする人がいるかもしれません

このように理由を言われれば、多くの人が納得し、変な勘ぐりもなくなります。
また、中には「では自分も簿記1級を目指そう」と思う人もいるかもしれません。
これって、その人個人にとっても良いことだし、社会全体にとっても良いことだと思いませんか?

これは、「『考え方』という素質を見つけ出す設題例」で紹介した課題の出し方でも同じ。
応募者の回答に対して、「当社ではこういう考え方でこう実施し成功した」とか「この視点が足りないと思う」というフィードバックをすれば、彼らはそれをきっかけに視点を変えたり、視野を広げる方向に向くかもしれません。

せっかく応募してくれたのですから、お祈りメールで終わりではなく、何かお土産を渡せた方が、お互いに幸せでしょう。

会社は「得意分野の違う者同士が分業し利益を最大化するため」の組織

「そもそも会社である目的は?」で説明しましたが、会社は「得意分野の違う者同士が分業し利益を最大化するため」の組織です。
だからまず「得意分野」に着目する。その分野で一番能力が高いと思われる人を採用する。

そりゃ、性格や組織との相性、年齢、性別が気になるのも分かりますし、要素として無視できるものでもありません。

ですが、そもそも会社とは?と考えれば、最も重要な要素は「能力」だし、能力に着目すれば採用基準も明確化しやすい。
これまで述べてきた通り、余計なトラブルの芽も排除できます。

ということで、会社の原点に立ち返って、能力を重視した採用をすれば、上手く行くのは、至極当然です。

原点に立ち返ってみませんか?

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。

>クソゲー採用を卒業しませんか?

クソゲー採用を卒業しませんか?

求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。こんなことの繰り返しで、ずっと採用活動を続けている中小企業が多いです。
私はこれを「採用活動のクソゲー化」と呼んでます。クソゲーとはルールや設定が酷すぎて、終わらない、つまらないゲームのこと。
今までの習慣やルールを変えて、まともな採用をしてみませんか?そう考える方はこちらまで。

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