中小企業による採用エージェントの使い方。主体性のない企業は金蔓になるだけ

  • 2020年6月29日
  • 2021年1月19日
  • 採用

一昨年から昨年にかけて、ある企業(以後、A社とします)の採用支援を行いました。
昨今の“売り手市場”を反映してか、これが思った以上に時間がかかりました。2年ぐらい。。。
振返ってみると、A社に限らず多くの会社が採用で悩んでいるのでは?と思い、何故そうなるか?をいろいろ書いています。

今回はその中で、採用エージェントについて考えてみたいと思います。

提示したスキルで探していない?

A社の採用活動において私はその採用担当者(契約形態は準委任です)という立場です。

採用担当者を社員でなく私に依頼するくらいですから、A社は独自での採用活動は出来ません。募集にあたっては、採用エージェント会社頼りになります。関わったのは2社です。

それでも間違った採用を続けますか?」でも書いた通り、私から採用エージェントに対し、A社の現状を踏まえ、必要なスキルはお伝えしました。
しかし、それに基づいて人材を探したとは思えないし、応募者にその情報も伝えていないようでした。

後日内定者に「エージェントから要求スキルついて話があった?」と聞いたところ、求人票以上の事は聞いていないとのことでした。
求人票が大元であるというのは分かりますが、「それにしてもねぇ」ですよね。

成功報酬型のビジネスモデルでいいのか?

A社と採用エージェント会社の契約は、「成功報酬型」でした。一部この方式を採用していない会社もありますが、主流ですよね。求人している会社としては、初期コストがかからないので魅力的なのだと思います。

しかし、これだと極端に言うと「エージェントとしてはなんでもかんでも入れちゃえばいい」という思考になることも十分考えられます。

紹介した人が早期退職した場合は、一部返金があるようですが、極端に言えば、一部返金をした上で新たに人材紹介をした方が、儲かりますよね。
これは下衆の勘繰りですが。

本来顧客であるはずの採用企業の立場が相対的に弱い

また、中小企業は、大手企業に比べて情報収集面でハンディがあるので、有名なエージェントに頼らざるを得ないかと思います。

そこで、試しに、「採用エージェント 評判」と検索したのですが、出てくるのは、求職者から採用エージェントの評価ばかりで、企業からの評価は見つかりませんでした。「採用エージェント 企業 評判」でも同じ。

これでは、中小企業が自分たちのニーズにマッチした採用エージェントを見つけるのは難しいです。
必然的に誰もが知っている採用エージェントに依頼することが多くなります。
仮に満足度が低くても、他を探すことが出来ないので、頼らざるを得ないという面も否定できません。
このように、本来顧客であるはずの採用企業の立場が相対的に弱い。というのが採用という仕事の特異な点です。

加えて、有名エージェントは大きい会社ですので、とかく効率重視で、商品回転が速く、手離れが良いビジネスを好む傾向にあります。

その点から考えても、採用企業側のニーズを汲み取って、細かいフォローはしないと思った方が良いです。

採用エージェント側から見ると

逆に彼らの立場で考えてみると、多分こう考えています。

  1. そもそも採用の主体は企業である
  2. そもそも応募の主体は求職者である
  3. そもそも採用エージェントは主体者である企業と求職者をマッチングするのが仕事である

当り前の話で、採用エージェントや私みたいに外部から支援する立場の人間を上手く使えるかどうかは、主体者である企業次第。

もちろんプロとしての助言はするべきだし、マッチングするにしてももう少し確度を上げる努力はした方がいいかと思ういますが、やっぱり主体者である企業がしっかりすべきでしょう。
結局上手く行かなくて困るのは自分ですから。

主体性のない者は金蔓になるだけ

企業が当事者として主体性を持っていない場合、採用エージェントも戸惑うばかり。
そうなると、その企業の支援より、商品回転や手離れを優先する方に意識が向きがち。

これは、どのビジネスでも、どのサービスでも一緒でしょう。
立場を逆にして、「この会社(人)、全然自分の考えがない。大丈夫か?」と思ったら、お金の回収を最優先にして、用がなくなったらトンズラでしょう。

エージェントを使うのは顧客

結局「具体的にどのような人材が欲しいか」をはっきりさせて、エージェントに理解させる。

エージェントもすぐには理解できないこともあるから、違う人が来たら「どこが、なにが違う」ということを言って擦り合わせる。
そういうことを繰り返して、希望する人材にたどり着く。という感じではないかと思います。

所詮エージェントも手段でしかない

そして、それを繰り返して行けば、もう就職エージェントに頼らなくてもよいときが来るかもしれません。「具体的にどのような人材が欲しいか」を明確にしておけば、あとは手段でしかないんですよ。

しつこいですが、結局、一にも二にも自分の考えをちゃんとするってことです。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。

>クソゲー採用を卒業しませんか?

クソゲー採用を卒業しませんか?

求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。こんなことの繰り返しで、ずっと採用活動を続けている中小企業が多いです。
私はこれを「採用活動のクソゲー化」と呼んでます。クソゲーとはルールや設定が酷すぎて、終わらない、つまらないゲームのこと。
今までの習慣やルールを変えて、まともな採用をしてみませんか?そう考える方はこちらまで。

CTR IMG