こんな社風は嫌だ~丸投げ~

  • 2020年9月3日
  • 2021年5月18日
  • 社風

今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点と考えています。

(1)企業が必要としているスキル
(2)社風や人間関係

この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。
(過去、私が実際に見聞きした中で、社員目線で「これはキツイだろうな」と思った実例を紹介します。極端な事例もあって直接参考にはならないかもしれませんが、こんなこともあるのか。程度に考えていただければと思います。)

なぜ社風か?はこちらをご覧ください。

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今回は「丸投げ」です。

理念付き丸投げに感動!

今回のエピソードは、IT企業に勤めてたころのものです。

何故か会長が拾って来た案件。内容を聞くと、どう考えても上手く行きそうもないので、その旨を指摘し、やるとしたらもっと上流である業務の見直しからした方が良い。と提案したら、会長が激怒し、社長が担当することに。

で、社長がその仕事の受注を確定したのですが、実際に開発するのは私のグループと踏んだみたいでした。

まぁ、仕事ですから、やるとなったらやるしかないのですが、依頼の仕方にイラッと来ました。

社長:この仕事は当社にとってうんたらくんたら。。。

私:・・・・・

社長:当社の理念の実現にうんたらくんたら。。。。

私:・・・・・

社長:ということで後は頼む!

私:やるのはいいけど、この案件、あなたはどこからどこまでやって、私には何をやって欲しいの?

社長:・・・・・

私:こういうの丸投げって言うんだよね。ご丁寧に理念まで付けちゃって。

社長にこんな口利けるのかよ?というのは置いておいて、私はこのやり方に感動の念さえ覚えてました。
「これを若い社員にやったら、その社員は何も言えないだろうな」と。

案件とは全く別の上位概念を持ち出し、断り難くしといて、丸投げ。これ以上卑怯な手はない。

当事者は誰か?

私がイラッと来た原因は、当事者は誰か?という点です。
どんな経緯で(もしかしたら嫌々)担当することになったかは別の問題。
その時点での当事者は誰か?もちろん件の社長です。(なお、この社長はIT技術者上がりです)

その当事者がもう受注しちゃったんですよ。なのに内容についてロクに説明できないわ、案件を上手くこなすための考えもない。

「あんたは社長である前に当事者として責任取る気あるの?もちろん社長としてもだけど」というのが偽ざる私の気持ちでした。

どちらを向いて仕事しているのか?

最初から分かっていたのですが、会長も社長も顧客に格好いいところを見せちゃったんですよね。

会長案件ですから、相手は、会長の知り合い。上手いこと言って「うちに任せろ!」と言っちゃったんです。
だから「どう考えても上手く行きそうもない」という指摘と、「やるとしたらもっと上流である業務の見直しからした方が良い」という提案に激怒した。

会長の約束をひっくり返すことになるからです。

一方の社長も、会長の「うちに任せろ!」路線に従ったんです。もしかしたら自分も「うちに任せろ!」と言ったかも。

結果、件の案件は、顧客に迷惑はかけることは回避しました。自分たちの面子にかけて顧客には分からないようにしただけで、本当は大赤字でしたけど。
彼ら的には、この結果は良くはないけど、悪くもないでしょう。一応面子は立ちましたから。

本来なら大赤字について、私が批判の矢面に立ってたはずですが、幸いなことに前述の会話の結果、私は外されてました。
そのため、責任の所在は有耶無耶で終わり。要は会長・社長の責任ですから、自分で自分の責任を追求しないですよね。これもインチキ。

若い社員に丸投げすると

前段で「これを若い社員にやったら、その社員は何も言えないだろうな」と書きました。
このブログのテーマは「社風」ですから、最後はここに焦点を当てます。

言うまでもなく、上司に無責任な丸投げをされれば、部下はストレスを感じます。ただ、何がストレスなのかは分からないでしょう。
「丸投げ」が横行している会社は、それをする方も、される方も、そのことに明確な疑問は持たないと思います。
「仕事とはそんなもんだ」というやつです。

そして、上手く行かなかったとき責任を取らされます。
仕事を受けた以上、当事者ですから責任を取るのは当り前ですが、ありがちなのは、丸投げした本人が、この段で批判側に回ること。
これはかなりストレスでしょう。

これが続いたら、そのうち辞めますよね。

結局、丸投げとは当事者であることを放棄する行為です。これがダメ。

役職の上下に関わらず「これ、私はどこまでやって、あなたにはこれをやって欲しい」
「もちろん当事者は私であるし、あなたでもある」と肝に銘じることが必要でしょう。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。

>クソゲー採用を卒業しませんか?

クソゲー採用を卒業しませんか?

求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。こんなことの繰り返しで、ずっと採用活動を続けている中小企業が多いです。
私はこれを「採用活動のクソゲー化」と呼んでます。クソゲーとはルールや設定が酷すぎて、終わらない、つまらないゲームのこと。
今までの習慣やルールを変えて、まともな採用をしてみませんか?そう考える方はこちらまで。

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