今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点が原因の一つと考えています。
(1)企業が必要としているスキル
(2)社風や人間関係
この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。
(過去、私が実際に見聞きした中で、社員目線で「これはキツイだろうな」と思った実例を紹介します。極端な事例もあって直接参考にはならないかもしれませんが、こんなこともあるのか。程度に考えていただければと思います。)
なぜ社風?という点はこちらを参照ください。
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今回は「社長の資質が?」です。
会社においては社長がリーダのはず
言うまでもないですが、会社においては社長がリーダです。
大きな会社は、重層構造なので、それぞれの階層にリーダが存在しますが、中小企業においては、社長が唯一絶対のリーダと言って良いでしょう。
ただ、稀にこの会社は社長がリーダではない?というケースがあります。
バラバラ感がすごい会社
稀にある、「社長がリーダではない?」という会社は、なにしろバラバラ感がすごいです。
実質リーダっぽい人が好き勝手にやっていたり、いわゆるセクショナリズムが跋扈していたり。
社員同士で陰口言い合っていたり。
外から見てて「これじゃ、まともな成果も上げられないだろう。」と思う会社は、社長にリーダシップを始めその資質が無いというケースが多いです。そしてこのような会社は、離職率も高いです。そりゃそうですよね。
創業社長の場合
社長が創業者の場合、あまりこういうケースは見かけません。
創業者は「自分のやりたい事を実現するために、会社を設立した」人です。バイタリティやリーダシップも人一倍強いのでしょう。
というより、個性が強すぎて、ワンマンというケースが多いです。これはこれで問題ですが。
二代目やサラリーマン社長は?
創業社長に比べて、同族の二代目やサラリーマン社長は、圧倒的に不利です。
何といっても「自分のやりたい事を実現するために、会社を設立した」わけではないので、モチベーションは創業者より低いでしょう。中にはいやいや社長にされてしまう人もいるわけですし。
それでもリーダシップを発揮し、さらに会社を発展させた社長も多くいます。
中小企業であれば先代社長が次の社長を選ぶでしょうから、通常は資質を見極めるはずです。上手く行っている会社は、先代の眼力に間違いなかったということでしょう。
問題が起こるケース
問題は先代社長が次の社長を、資質以外で選んでしまった時でしょう。二つケースがあります。
- 同族会社が同族に拘るあまり、資質面で劣っていても社長に指名してしまう
- 先代社長が院政を敷きたいため、自分の言う事を聞く人を社長に指名してしまう
実は、私はこのどちらも割と近くで見た経験があります。
前者は、社長の代替わりからしばらくして、会社の業績は低迷、離職率は高止まり。雰囲気も悪くなって行き、最終的にはその社長は社員に追い出されてしまいました。
後者は、ベテラン社員が次々と退職し、先代社長が鳴り物入りで始めた新規事業にも失敗。
現社長がその責任を取るような形で、先代社長の鶴の一声で、退任させられました。
風の噂では、先代社長が院政を止めて、経営復帰宣言をしたとかしないとか。。。最も罪深いのは。。。
結局は資質なんですが
私は、社長(経営者)は専門職だと思っています。しかもハイレベルの。
社長というのは、プロ野球選手のように、素質がなければいくら努力してもどうにもならない部分が存在します。だから報酬も多いのです。
だから間違っても、資質以外の理由で社長を選んではいけません。
そうしないと、会社の業績は落ち、雰囲気も悪くなります。
今どき無能な社長を献身的に支える番頭さんなんていないです。優秀な社員ほど、見切りをつけて去るということになります。(前述の社員が社長を追い出すというのはかなりレアケースです。)
無理なら辞めるという選択
それなりに経験を積んでいれば、自分に社長の資質があるかないか判断できるはず。
個人経営、商店レベルを脱して会社となった時点で、利害関係者は増大します。従業員、取引先、株主等々。。
だから会社は公器です。そして社長はその公器である会社の重要な機能を担っているのです。
仮に、その機能を担えないのあれば、その機能を果たせる人に譲るべきでしょう。
別に社長なんてステータスでも何でもないですから。
逆に言えば、そういう人は、自己のことを客観的に判断できる人として社内外の尊敬を集めるでしょうし、これこそが公器である会社への貢献ですよね。