こんな社風は嫌だ~補助金頼み~

  • 2020年11月30日
  • 2021年1月19日
  • 社風

今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点が原因の一つと考えています。

(1)企業が必要としているスキル
(2)社風や人間関係

この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。
(過去、私が実際に見聞きした中で、社員目線で「これはキツイだろうな」と思った実例を紹介します。極端な事例もあって直接参考にはならないかもしれませんが、こんなこともあるのか。程度に考えていただければと思います。)

なぜ社風?という点はこちらを参照ください。

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今回は「補助金頼み」です。
実は、採用以前の話で、参考もなにもないような内容ですが、ふと酷い話だったよなと思い出したもので。。

補助金目当ての事業

今回の事例は、社員としても外部コンサルタントをしても関わっていません。
それにしても酷い会社もあったもので。。。。

多くのまともな経営者の皆さんは、自社でやりたい事業、あるいはやらなければならない事業があり、その資金調達の手段の一つとして「補助金」の受給を検討することと思います。まぁ当り前ですよね。

しかし、中には補助金目当てで事業を始めようと考える人もいますし、実力不足で結果として補助金目当てに見えてしまう人もいます。

この会社もその類でした。
私が関わったのは、「補助金を貰って、社会的に意義のある事業を始めたいという会社があるので、検討せよ」という、当時所属していたIT企業のトップからのメールでの指示が発端です。
その内容は以下の通りでした。

・同種の事業を、以前補助金を貰って始めたものの、失敗した。今回はその再挑戦
・失敗した原因は、東京のIT企業にシステム開発を依頼したのだが、騙された(システムがロクに稼働せずお金だけ取られた)とのこと
・当社(当時勤めていたIT企業)なら、騙すようなことはしないので大丈夫。と(実はトップが胸を叩いて)請負った

間違いだらけの補助金事業

なんかもう「間違いだらけの補助金事業」感満載。

・事業の内容を見ると、IT投資が最初に来る理由が不明。そもそも事業の肝はITではないのでは?
・自分が始めた事業の失敗を、他人のせいにしている経営者ってありなの?
・本当にそのIT企業が悪いのかな?むしろ酷い客で迷惑したんじゃないの?
・うちは騙すようなことはしない。って安請け合いして大丈夫かな?

なんて疑問だらけです。

なので
「お話しの内容から顧客側にも問題があるのでは?不用意に受けると結果的に当社も騙すことになっちゃいますよ」
と返したら、「当社も騙すことになっちゃいますよ」という点がトップの逆鱗に触れて担当外されました。(なので、関わっていないんです)

とは言え、みすみす上手く行きそうもない案件を放置するわけにも行かないので、
「事業のオペレーションが曖昧な中でシステム開発が先に出てるけど、まず全体のオペレーションの整理を手伝って方がよいのでは?それなら私ができますよ」という提案をしましたが、火に油を注ぐ結果になって、ますます遠ざけられました。

まぁ、あまりにも相手(IT企業のトップ)が喧嘩腰だったので、こちらもキレちゃったんですけど。。。

結局騙しちゃった?

ということで、私は完全に外され、役職上は私より上席の人が担当することになりました。
私はと言うと、これは勤め人の姿勢としてどうなんだろう?と今振り返ると思いますが、「失敗するだろうな~」と思いながら見ていました。

何故かと言うと、この上席の人は今まで超大手のシステムしか担当したことがなくて、所謂「顧客の言う通りに作る」という人。

一方、今回の顧客は、前段で説明した通り、「そもそも事業オペレーションが定まっていない」かつ「失敗の責任を業者にする傾向がある」。言ってみれば「あなた任せ」というやつです。

「あなた任せ」の顧客と「顧客の言う通りに作る」ITベンダーの組み合わせって、そりゃ失敗しますよね。

結局お互いに右往左往した挙句、当初の見積より大幅にコストが膨らみ、そのコストは、全てIT企業が被り、最終的には赤字だったようです。
「実はこんなにコストが嵩みまして」なんて言おうものなら「騙された」って言われますから、最初にトップが胸を叩いてしまったこともあるので、口が裂けてもコストのことは言えません。

でも、「これって顧客を騙しちゃってませんか?」と言いたくなります。
もっともこの頃にはこのIT企業を退職してたんで、言う機会がなかったですが。

補助金が尽きて社員を解雇

実はここまで脱線してしまいました。ここからが本題なんですが。。。

私が退職する直前に、当時担当していた社員が、前回補助金を受けての事業の話を聞くことがあったらしいのです。

社長だか経営幹部が「補助金を貰って人を雇ったのだけれども、補助金が底をついて、その社員たちに辞めてもらわざるを得なかった」と泣きながら話していたそうです。

その社員は「ビジネスって大変ですよね」なんて真顔で言ってましたけど、

その社員を含めて、私はドン引き。最初のけ反って、その勢いで椅子から転げ落ちました。(これ本当です)

補助金当てにして人雇って、補助金が無くなったらクビなんて。。その雇われた人は大迷惑。
泣いて済まされる話ではないですよね。

私自身も自分で仕事をするようになって、補助金の検討をするようになりました。
ついつい補助金頼みになりがちなように思いますので、自戒の意味も込めて書きました。
メインテーマと外れている件は、お許しください。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。