こんな社風は嫌だ~社員を退職に追い込む~

  • 2020年9月23日
  • 2021年5月18日
  • 社風

今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点が原因の一つと考えています。

(1)企業が必要としているスキル
(2)社風や人間関係

この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。
(過去、私が実際に見聞きした中で、社員目線で「これはキツイだろうな」と思った実例を紹介します。極端な事例もあって直接参考にはならないかもしれませんが、こんなこともあるのか。程度に考えていただければと思います。)

なぜ社風?という点はこちらを参照ください。

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今回は「社員を退職に追い込む」です。かなり極端な話ですが、当の追い込まれた社員より残った社員への影響面で、ちょっと気になったものですから。

嫌われている幹部の退職

今年もらった年賀状に、以前勤めていた会社の幹部社員が退職した。と書いてありました。
かなり意外だったので、旧知の伝手で聞いてみたところ、以下のような顛末だったようです。

・何等かの失敗の責任を取らされる形だった(聞いた範囲では直接の責任は無いような。。。)
・退職前は、かなり酷い扱いだったようだ(退職に追い込まれた?)
・社員はこの幹部社員を嫌っていたので、この退職は比較的好感を持っている人が多い

実は私も好きではない人だったので、そんなものか。というのが率直な感想でした。

まぁ、家族持ちだったので、退職してどうするのだろう?と思いましたし、退職前に酷い扱いをしたとされる人も知っている人なので、その人に対しては「いい歳してよくやると」と感じましたが、言ってみれば、年始早々の驚いたエピソードとして、そのまま忘れてました。

実は意外な退職

しかし今改めて考えてみると、意外な退職です。

退職した人がどんな人か?
以下は私の評価ですが、好きではない私の評価なので話し半分と思ってください。

いわゆるヒラメ社員で、自分より上にはゴマすりを厭わない。逆に自分より下には傲慢な振る舞いをする。小さい会社なのに社内政治が大好きなので、ターゲットにされるとめんどくさい。
仕事は本人が思っているほど出来ない。口先ばかりで、必ず失敗するのだが、逃げるのが上手く、意外と傷つかない。

と言う感じです。

仕事も出来ないし、社内で嫌われているのですが、何故か出世して行く。そんな人です。世渡り上手なんですよね。

そんな世渡り上手が、今回は失敗したのか?というのが一つ目の意外。

もう一つの意外は、なんだかんだ幹部まで行った人なんだから、組織に役に立ってた部分もあるだろう。その機能を「退職前に酷い扱いをしたとされる人」は捨てたのか?という点です。

役に立つ面もあったよな。と

私もこの幹部には何度も煮え湯を飲まされています。
若いころ、あまりにも酷いので、当時上司だった「退職前に酷い扱いをしたとされる人」に苦情を言った記憶があります。

その時、次のように諭されました。
「どんな人でも良い点と悪い点がある。君は悪い点ばかり見るから、ダメなんだ。彼にも良い点が沢山ある」

その通り!ぐうの音も出ないですよね。

そう考えると、確かに役に立っていたと思います。

失敗する確率の高い新規案件は逃げるものの、既存の顧客対応は喜んでやる。ゴマをすることに抵抗が無いので、大きな会社を相手に御用聞き営業は社内でもダントツだった。

口が上手くて言い訳上手なので、トラブル時の顧客対応は秀逸。ただ所詮詭弁を弄するだけなので、通用する相手は限定的だが、そんな相手からは自ら逃げるので実害なし。

そもそも頭が良いので、自分の利害が絡まなければ割と的確な判断が出来る。「要は持って行く話をこちらで選別すればいいのですよ」と仕事の出来る後輩は上手く使っていた。

ゴマすり御用聞きや、詭弁が通用する顧客なんて、私は嫌なので、実は助けてもらった。ということも多数あったでしょう。今から考えるともっと感謝しても良かったと思っています。

経営陣から見ても役に立ってたのでは?

さらに「社員から嫌われていた」というのは、会社運営上は良い点だったのでは?と思います。
ヒラメですから、会社の方針に逆らうことはしないでしょう。その方針を社内に展開するときの物言いがエラそうだったり、自分の責任にならないような言い回しで、それがバレバレなので嫌われる。

仮にその会社の方針に問題があったとしても、その批判の矛先は経営陣に向くことなく、嫌われ者に向く。なんてこともあっただろう。と。

であれば、その嫌われ者という役割は、「退職前に酷い扱いをしたとされる人」に対する防波堤として、役に立っていただろうし、その防波堤が居なくなった今、どうなるんだろう?新たな防波堤を作るのか?でもそんな才能ある人少ないですよね。だとしたら批判もろかぶりになる。

と、想像しちゃいます。
何だか結局ディスってるんですが、「良い点を活かす」という意味で分かり易いかと。本当は他に思いつかなかったのですが。。。

どんな社員でも、社員は社員

なんて拙い例を出すまでもなく、どんな社員でも社員は社員。

何が問題だった知りませんが、酷い扱いをして退職まで追い込むなんてことをやるなんて、恐怖政治そのもの。そんなことで普通の社員がついて来るのかな?

私だったら、その対象になった人が自分の嫌いな人だとしても、さっさと辞めますね。下手をすると明日は我が身ですもの。

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「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

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これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。