今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点と考えています。
(1)企業が必要としているスキル
(2)社風や人間関係
この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。
(過去、私が実際に見聞きした中で、社員目線で「これはキツイだろうな」と思った実例を紹介します。極端な事例もあって直接参考にはならないかもしれませんが、こんなこともあるのか。程度に考えていただければと思います。)
社員の退職は少なからず痛手が伴うものです。 苦労して採用した社員が早々に辞めたり、将来の幹部候補と考えていた社員が急に辞めたり、 社員はなぜ退職してしまうのでしょうか? 私は介護などどうしようもない私的な事情は別として、社員が[…]
今回は「ひたすら守りの経営」です。
何事も攻守のバランスでしょう
いままでやっていたことをひたすら守っているだけで、上手く行けば何も言う事ないのですが、今時それで“上手く行く”を継続しるのはかなり難しいです。
縄文時代であれば、変化も緩やかなので、何世代も今まで同じことをやっていても、何とかなったでしょうが、現代は変化が激しいので守りだけでは、早晩行き詰まるでしょう。
随分前から言われていた、ドッグイヤー、マウスイヤーというやつです。
だから、ビジネスに限らず全てにおいて、守りを固める一方で、攻めをする。というのが健全なスタイルです。
ただ、これが難しい。人間はどうしても今持っているものを守りたくなりますよね。(因みにこれを保有効果と言うらしいです)
もちろんビジネスも
ビジネスのおいても、守りを固める一方で、攻めをする。というのが原則ですが、人間がやる以上、知らず知らずのうちに守り一辺倒となってしまうことがあります。
守り一辺倒でも何も問題なければそれで構いませんし、私は知らないのですが、それでも行ける業界はあるでしょう。
でもまぁ、普通は守り一辺倒で発展することは少なく、衰退することの方が多いでしょう。
「ひたすら守りの経営」をする会社
過去、私が見てきた会社の中で、とびぬけて「ひたすら守りの経営」をする会社がありました。
これは社長にその任を担う能力が無いという、かなり特殊なケースですが、その顛末は参考になると思います。
件の社長は同族の跡継ぎでも何でもないです。ではなぜ社長になったか?というと、社内のパワーバランスから消去法で選ばれた。ということです。
もうこれだけで、この会社の将来が不安ですが。。。。
(本人の名誉のためフォローしておきますが、もの凄く人はいいので、慕っている人も多かったです)
経営者の資質とは
一口に社長の能力が無かった。と書きました。
それは何かというと、「今しか見ない」ことです。
私の印象でしかないのですが、「今しか見ない」という人は現実には結構いると思います。普通の生活を送る分には、それでも問題ないと思います。
でも、経営はそれでは立ち行かないでしょう。
過去から今までの推移を見て判断し必要な手を打って、将来を予測し必要な手を打たねばならないですから。
件の社長は、この点が弱かったです。
今しか見ないので、現状維持以外分からない。今やっていることを守る以外思いつかないのです。
そしてどうなったか?
それなりの数の人がいれば、過去から今までの推移を見て判断できる人も、将来を予測できる人も存在します。
だから、そういう人の能力を活かす。
人間は万能ではないので、自分の不得意な事は、得意な人に任せればよいのです。
実際に私は、そのことを件の社長に進言しましたが、全然響かない。
何故か?と思ってよくよく話を聞いてみると「自分の事を分かっていない」ことが原因でした。
これではまともな議論が出来ません。
で、結果は明白。
そんなに多くない、過去から今までの推移を見て判断できる人も、将来を予測できる人もこの会社を去りました。
先が見える人ほど、どこかで見切らざるを得なかった。という事でしょう。
残ったのは、「今しか見ない」集団です。
本人たちは気付いていないですが、全社一丸で「ひたすら守り」を貫いて、日に日に衰退しています。
今いる若手の中の一人が突然変異するとか、どこかの会社に買収されるとか、神風でも起こらない限り、この会社の明日は無いでしょう。