こんな社風は嫌だ~社員が「言った者負け」と言う~

  • 2020年8月20日
  • 2021年5月18日
  • 社風

今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点が原因の一つと考えています。

  1. 企業が必要としているスキル
  2. 社風や人間関係

この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。
(過去、私が実際に見聞きした中で、社員目線で「これはキツイだろうな」と思った実例を紹介します。極端な事例もあって直接参考にはならないかもしれませんが、こんなこともあるのか。程度に考えていただければと思います。)

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今回は「社員が『言った者負け』と言う」です。

始めて聞いたとき

「江田さん、うちの会社は言った者負けですよね」と他部署の後輩に言われたのは、30代半ば。まだ勤めていたころです。
「あー、こりゃマズイな」と思って、手を打った記憶があります。
まだ30代半ばのお気楽サラリーマンな私でも、危機感を持つ言葉ですよね。

どんな対策をしたか?というと信頼する上司に報告しただけで、その後どうなったかまでは覚えてません。

その後よく聞く言葉に

その会社では、私に話をした社員は、その後2~3年で退職し、それ以降この言葉を聞くことがなくなりました。
理由は分かりませんが、私が後輩たちから解決能力の無い奴と思われたからかもしれません。実際に自分で解決してないですからね。

その後、勤め人とは違う立場で企業と接するようになって、再び聞くことが多くなりました。
まぁ内部より外部の人間の方が割と言い易いのでしょう。

どんなケースでしょう?

「言った者負け」と聞く度に、後輩の顔を思い出します。ちょっと不満が多かったな~。と記憶していて、そういう人が多いと勝手に思っていたのですが、そうでもなさそうなケースがあると気付きました。
私の印象では、3パターンあります。

  1. その会社のエース級の人材で、いろいろな仕事を任されてパンクしそうな人
  2. 自分で解決するスキルがなく、上司に解決をして欲しくて問題提議したら、自分でやれ。と言われた人
  3. 単なる不満型人間

エース級人材は、忙しい中でも新しい提案をする能力、問題発見し改善策を見出す能力があるでしょう(だから評価されるので)。
彼には時間が無いのです。時間さえあれば、新しい取り組みや、発見した問題の解決に勤しむはず。
その提案や問題の優先順位を勘案し、誰がやるか決め、実行すればいい話です。まぁマネジメントの初歩ですわね。

自分に解決するスキルがないと考えている人材には、本当にまだ未熟でスキルがないのか、スキルが無いと思い込んでいるのかのどちらかでしょう。
前者は代わりにやってあげても良いし、スキルを上げるために補助してあげても良い。後者は補助してあげるのが一番です。自信がないだけですから。

上司への信頼が全て

エース人材も解決スキルが自分にはないと思っている人も上司や先輩を信頼しているから、提案や、問題提議します。
その信頼を裏切るから「うちの会社は言った者負け」となります。
こうなったら、提案はしないし、問題発見しても、直接自分に不利益になること以外は言わなくなります。

「この問題やばいですよ!」と言っても理解できない。
「これに取組めば、今よりよくなる」と言っても、半笑いで「じゃ自分でやれよ」と言われる。

マネージャー側の能力不足です。

部下が主張している問題が理解できないは論外ですが、そもそもマネジメントの第一段階は、部下の能力と今の状態の把握です。
それが出来ていない。だから適切な支援もできない。人の特徴も生かせない。

ちょっと脇道に逸れますが、優秀なマネージャーは、不満型人間も価値があると考えます。その問題発見力を活かすのです。そして、問題発見能力を評価された不満型人間は、その上司を信頼し、問題だと思ったら即報告に来るでしょう。

私にも経験が

前段で、「江田さん、うちの会社は言った者負けですよね」と後輩に言われ、それを上司に報告した。と書きました。

この時の私は、自分でそれを解決するスキルがなく、そのことを含めて上司に相談したのだろうと思います。
その背景には件の上司への全幅の信頼がありました。
「この人に言えば、私が懸念している点を理解して、対策をしてくれるか、私に対策させるでも支援してくれるだろう」と思っていたました。

上司と部下はこの関係がベストだと今でも思っています。

しかし、後年、その上司の理解力や判断力に疑問を持ったとき、全く信頼しなくなりました。
これが人として正しいかは置いておいて、ビジネスでは致し方ない結末と考えています。

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組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

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