こんな社風は嫌だ~パワハラ~

  • 2020年8月6日
  • 2021年5月18日
  • 社風

今どきの採用/就職は、失敗が多いと考えています。その原因は、本当は大事だと思う、以下の2つについて、企業が明確にしない点が原因の一つと考えています。

(1)企業が必要としているスキル
(2)社風や人間関係

この2番目の“社風”について焦点を当てようと思います。
それ次第で、採用が覚束なかったり、せっかく採用しても早期退職になってしまいますので。

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まずは、「パワハラ」です。

「パワハラ防止法」が施行

2020年6月にいわゆる「パワハラ防止法」が施行(中小企業は2022年4月1日から)されましたので、もはやパワハラを当り前と考える企業は少ないでしょう。

しかし、パワハラ的とか隠れパワハラみたいな企業は、まだまだ多いです。

ついこの間まで厳しい指導が当り前でしたから、急にパワハラは悪と言われても、対応できないというのは分かりますし、なかなか自分たちでは気付けないで、思いとは裏腹にパワハラ体質が残ってしまうということもあります。

今でもある「相手が悪い」論

パワハラ事件があると、必ず出てくるのが、パワハラの被害者が悪いという風潮です。

「普段から報告が無い」「指示を守らない」「仕事が出来ない」「仕事をしない」等々、パワハラをした本人だけでなく、周囲の人たちも、パワハラの被害者が悪い。と言うのをよく見聞きします。

これは「パワハラそのものが悪いこと」だと理解していない。ということです。

相手が悪いから殴ってもいいのか?包丁で刺してもいいのか?と考えれば分かる事。

まず他人を傷つけること自体がダメで、相手が云々というのは、情状酌量という形で罰の軽重で考えられるべき話しです。

根底にあるのは他責文化

前述の通り「パワハラそのものが悪いこと」を理解していないことと、もう一つ根強くあるのが、他責文化です。

日本だからなのか、世界中どこでも同じなのか知らないですが、他責の文化というのは、結構あります。

中には普段から社員に対し「自立」と「自律」の必要性を説きながら、いざとなったら「誰々(社員)が悪い」と言い出す経営者を私は知っています。
「自立」と「自律」ですから自責だと思うんですが、人間いざとなったら本音が出るもので、普段言ってることが綺麗ごとなんですね。

「パワハラそのものが悪いこと」は分かり易いので、すぐ払拭できると思いますが、この他責文化は少々やっかいだと思っています。

失敗があったときの対応

社員が失敗することがあります。
そういう時に、「普段から報告が無い」「指示を守らない」「仕事が出来ない」「仕事をしない」等々で、その失敗の原因をやらかした社員の資質のせいにして、本人を叱責するということありませんか?

私はサラリーマン時代このようなことをよく見聞きしたし、未熟な頃は正しく先頭に立って批判し、叱責していました。

しかし、今から振り返ってみると、失敗の原因は、本当に本人の資質だったのだろうか?と反省の念と共に考えています。

失敗の原因はシステム

そもそも人は必ず失敗しますので、その失敗が少なくなるよう、あるいは失敗があっても致命的にならないようにシステム(ITシステムではなくもっと広い意味での会社全体のシステムです)を設計し、運用することが、マネジメント層の仕事です。

そういう前提で考えれば、失敗があったということは、システムの不備、システムが現実の追いついていない、あるいは未知のものなのでシステムそのものが無い。等々の理由でしょう。

「普段から報告が無い」「指示を守らない」「仕事が出来ない」「仕事をしない」というのも、普段それで通用してしまう、あるいは本人がそれを認識できるように、能力に応じた教育が出来ていないなどのシステムの不備です。

他責が社風

しかし人は、とかく失敗という事象を見てしまい、その原因を短絡的に個人の問題と片付けてしまいがちです。それ自体は仕方ない(これも失敗のうちですから)。
でもこれを続けていると、それはもう社風となってしまいます。

そして、他責が社風の会社は、見事なくらい同じ失敗を繰り返しています。パワハラの頻発はもちろんのこと、ビジネスでも同じ失敗を繰り返します。
何故なら、失敗の原因を個人の資質とした瞬間に、そこからの学びや改善点の発見はないのですから。

また、この手の会社は、担当者を挿げ替えをよく行いますが、社風の問題なので担当者が変わっても同様の問題が起こります。
本当の原因はそこじゃない。ということです。

経営そのものが危うい

今回、パワハラというテーマですが、それは表面に出てきた事象に過ぎません。
根底にあるのは、経営を含めたマネジメント層の能力不足。

会社を去る人は、パワハラなんて見ていないで、パワハラが起こる背景にある「経営の危うさ」を見ているのです。

だから、失敗が起きた時、「誰々のせい」なんて言ってないで、その失敗が何故起こったのか?再発防止のためにシステムをどうするか?
そういう思考に向かっていけば、そもそも忙しくてパワハラなんかする暇はないのです。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。