海外交流

私が新卒から29年間勤めた会社、入社当初は酷いものだったのですが、3年目に入社して来た上司は素晴らしい人でした。

後年その人とちょっとトラブルになりまして、今はもう会うことも無いのですが、若かった自分にとっては、大いに刺激を受け、成長させてもらった存在。
ある時期までは、自分にとって理想の上司でした。

ここのブログは、企業の採用や教育を考えて行こうというのがテーマですので、過去私が部下として経験したマネジメントや経営手法を紹介したいと思います。

今回は「海外交流」です。

件の上司がアメリカでビジネスしていたこともあって、小さい会社の割には、アメリカを始め海外との交流は盛んでした。

社員の視野を広げるという目的でやっていたので、教育としての即効性は期待していません。教育というと即効性を求めてしまうことも多いですが、即効性のない「人間教育」という分野に企業が注力するというのも良いと思っています。
とは言え、今振り返ってみると、お馴染みのやりっぱなし感が強く、良い体験をしたで終わっていたよな。とも思っています。

アメリカ体験旅行

年2回くらい実施していました。1回につき参加は最大5名程度(レンタカーに乗れる人数)です。

ディスカウント航空券、ホテルはそこそこのレベルで安めのところ、移動はレンタカーで、1週間から10日程度。件の上司が仕事していた都市、シリコンバレー、プラス1都市を回るという感じです。

件の上司は航空券、ホテル、レンタカーの手配から、現地の運転手兼案内役をほとんど一人でやってました。今から考えると単に自分が行きたかっただけ?とも思いますが、まぁそれは置いておきます。

一番最初は、費用は会社持ちだったけど、それじゃ教育にならないということで、飛行機と宿泊費は個人持ちになりました。

私は2回も参加させてもらいましたが、件の上司の知人(実は元市長さんだったり)の家に泊まるとか、夕飯に招待されるなど、普通の旅行では味わえない、生のアメリカを見る機会が多く、有意義かつ楽しかったです。

海外インターンの受入

当初はアメリカ、途中からコロンビアの人をインターンとして受入していました。
面白かったのは、新人研修でコロンビア人を交えて5~6人の小グループでディスカッションする機会があったことです。

コロンビアはスペイン語なのですが、ディスカッションするとなると、英語しかないんですよね。みんな苦手な英語を使って、何とかコミュニケーションを取ろうとします。つまりは英語を使う機会となるわけです。
加えて、お互いの文化や考え方の違い自然と理解できる。

こんな体験はなかなか出来ないでしょう。

アメリカの州政府機関の受入

どんな事情か忘れましたが、件の上司が仕事していた都市の州政府の出先機関が、何年間か会社に間借りしていました。所長さん(日本人)とアシスタント(日系アメリカ人)の2人だったのですが、彼らが居たのは、総務の隣。

アメリカの文化の事や、州政府の仕事の仕方(めんどくささは日本並み)を聞くなど、勉強させてもらいました。
また、州知事が来日したときのパーティーに連れて行ってもらったり、米軍での感謝祭パーティーに連れてってもらったり、なかなか普通では味わえない体験もさせてもらいました。

教育としては

教育には知識を身に付けるものと、人格や意識を高めることが狙いのものがあると思います。海外と交流して視野を広げるというのはもちろん後者と考えます。

この手の教育は効果も直ぐには出ないし、そもそも効果があったかも不明。

企業の教育というと、とかく知識、スキルに偏りがちですが、こういう一見無駄な教育があっても良いと思います。

自分の話をすると、これが身に付いたとはっきり言えず、当時は「楽しかったな~」程度しか残ってないのですが、今振り返ってみると、確かに自分の糧の一つだった。と断言できます。
この手の教育はそういうものですよね。

インターンから見たら

逆にインターンから見ると、ちょっと可哀想だったか?と思います。

想像ですが、彼ら、特にコロンビアから来た人たちは先進国である日本から何かを学びたいと考えていたと思います。
企業としてそこには応えられたのか?は疑問です。何かと力不足の会社でしたから、学びはあったのだろうか?と考えてしまいます。
とは言え、彼らも海外に住んで、海外の企業に行ったということは、普段体験できないことなので、私と同じく自身の糧になったでしょう。というより糧になったことを願うばかりです。

後フォローをやればよかった

私は「この手の教育は効果も直ぐには出ないし、そもそも効果があったかも不明。企業の教育というと、とかく知識、スキルに偏りがちですが、こういう一見無駄な教育があっても良いと思います。」と前述しました。

それはその通りだと思うのですが、今から考えると私の居た会社は、こういう教育に偏っていたかもしれないです。
そして、これは、実は教育側の自己満足な側面もあると思っています。

せっかく良い教育してたんだから、それを生かす仕組み、例えばアメリカに行って「視野が広がった」ホヤホヤのハイな状態のとき、行ったメンバーで「新しい取組みを提案して実践してみる」とか、どうせなら「インターンもそれに参画させる」とか。

そんなことをやれば、インターンはより日本を知れるだろうし、社員も次のステップに移れる可能性があっただろう。と完全な思いつきかつ今さらなんですが。

先日、この会社の海外との交流も最近は停滞していると聞きました(伝聞なので本当のことは知らない)。
それが本当なら、結局やりっぱなしだったので、せっかく良い取組みなのに意味を見いだせずに終わったのでは?と。

このような長い目で見るような教育でも、やっぱり教育はフォローも大事と痛感しています。

会社は商店じゃない。
組織を作り「会社」を作ること 採用はそのスタート地点

「求人しても集まらない。面接に来たけど全然マッチしない。入社したけど1ヶ月で退職してしまった。」こんなことの繰り返しで、ずっと]採用活動を続けている。そんなことありませんか?

「曖昧な定義で“戦力”になりそうな人を探す」より「“戦力”を定義し」、「組織を作り」、その上で「自社にマッチした考えの人を採用し」、「育て」、「戦力にする」と視点を変えてみましょう。

これすなわち経営。採用活動こそが最初に経営の力が試される場なのです。